サバキ神妙
第六回 もっとおもしろくてもサバキ
●正月の過ごし方

アクションゲーム、とりわけ格闘ゲームにとって
評価の優劣に直結する要素
とはなんでしょうか。

私が思うにそれは
『萌えきゃら』
『萌えせいゆう』
『萌えすとーりー』
『萌ええんしゅつ』

てな具合の萌え萌え〜要素ですよねっ(はぁとっ)

とか書くと、新年早々から連載打ち切りくらって
最高にさわやかで素晴らしいスタートダッシュ
を切らざるを得なくなるわけでして。

まあ、それでも十分にジュビリーなんですが、ここは
敢えて『実写版卒業を積極的に取り組む』くらいの勇気
で格闘ゲームの本質、
そして、SAVAKIのおもしろさに迫ってみたいという姿勢を見せたい。
(引け腰)

●系統進化を疑う

格闘ゲームばかりでなく、全てのゲームジャンルは
なんらかの系統進化を経て洗練されてきました。

そして格闘ゲームは、ひたすら
『気持ち良さ』
という要素を追求したジャンルでした。

動き、音、演出。
操作系、システム。


3Dであろうと2Dであろうと本質は変わりません。
例えば、プリティファイターXとFIST、
その本質はどちらも…(無限遠に焦点を合わせつつ地を見つめる)

閑話休題。

しかし、その『気持ち良さ』は
本当に『真の進化』なのでしょうか。

引っ越してきた日から少しずつ上がり続けている隣人のテレビの音量のように、
その『気持ち良さ』の進化というのは『テレビの内容』ではなく、
『テレビの音量』の進化に過ぎないのでないでしょうか

ここで『過ぎなくないよ』と言われたら
『うん、そうだねっ!過ぎたるは及ばざるが如し!!』
と返して新春電波野郎を演出していきたい。

ていうか、おそらくこれはフィーリングであって論争するだけ無駄な観念だと思うので。

●もっとおもしろくてもサバキ

『武力ONE』というSNKの素晴らしく斬新な格闘ゲームがあるのですが、
確かにそれに比べたら
『既存の格ゲーのデッドコピー』
と言われるかもしれないSAVAKIです。

ぱっと見、ぱっと遊び、そして思うことは一つ、
『へしょい』

しかし、その特殊な操作系、 ジャンプできないしゃがめないといった変なこだわり
やたらつらいCPU戦…、
もしやこれは、
『テレビの音量』が小さすぎて『テレビの内容』が
よく伝わって来ないけれど、もしかして、
だいぶ『テレビの内容』が違うんじゃないか?

と、思ったわけです。

もし、これでキャラとか演出とかが良くなって
『テレビの音量』が上がったら、ひとつの
新しい格闘ゲームの形になるのではないかと。

だから、私はもう少しSAVAKIにこだわります。

『音量』の小さいSAVAKIに近づいて、
その『内容』を汲み取ってみたいと思います。

結果として、
『テレビの内容もへしょい』
というオチになるかもしれませんが、
『俺は松茸が生えてなくても山に登るんだ』
と言う山菜泥棒の前科を持つ友の如く、
SAVAKIという名の山に挑戦していきたい
と思うわけですが、
こんなの第一回に書いたよ俺。

おそらくもっと面白く遊べるはずのこの
SAVAKI。

もしかしたら革命的なゲームかもしれないこの
SAVAKI。

次回からは具体的にその全貌を明らかにしていくのでどうか、ひとつ。

「ていうかさ、消費者に努力を強要する時点で
 いいゲームじゃないんじゃないの?」

ていうか、別に消費者としてどんな遊び方してもいいんじゃないですか?
それより重大なのは
今回、結局幾つかの前振りに答えをださずに
ごまかして済ました、

ということでしょうか(笑)

まあ、新春一号目ということで連載の意義を再確認してみましたということでどうか、ひとつ。

『……私ね、決めたの。今。
 私が…君を守ってあげる。
 この残酷な世界の全てから、君の事を守るの。
 わたしがこの世界でする…最後の約束。』


次回は≪ビシバシステムとドサクサバキ≫です。

(文責:バドソン)

「習慣!ゲーム微妙 01/01/06(新春記念)号」掲載


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