ぱっぱらぱおーん
これで衝撃的なデビューを飾ったエコールに幸あれ、ということで
「ぱっぱらぱおーん」です。
☆4個で消えるよ。レビュースタート(笑)
シュール画像
「宇宙初の、パズルなの。」
という衝撃的なコピーがジャケット裏に踊っています。
続いて、
(以下、引用)
ある日少年が迷いこんだのは、
不思議な不思議なパズルの世界。
待ち受けるのは、「パオーン」と
叫びたくなるような攻防戦。
イッキ消しだ、ど〜んなもんだい!
宇宙一新鮮な横スクロール
シューティングパズルゲーム、
老若男女お宅でどうぞ。
(引用終わり)
という、これまた脳髄に直接電気信号を送り込まれるような電撃的な文章が羅列されています。
「パオーン」と叫びたくなるような攻防戦!?
宇宙一新鮮な!?
老若男女お宅でどうぞ!?
とにかく凡人には決して考えつくことのない素晴らしい売り文句だけでも、「ぱっぱらぱお〜ん」がいかにすさまじいレベルのものであるかが推測できるでしょう(笑)
しかも、これはあくまでジャケットの「裏」の話です。こんなすさまじいジャケット裏を持つ
タイトルのジャケットはいったいいかなるモノなのか?
そして、プレイヤーを驚愕させるストーリーとは…。
☆驚愕のストーリー
…勝手に歩いてろ
プレイヤーの分身である「アンリ」が、なぜかパズルの世界に迷い込んだところから話は始まります。
そして、いわゆる「ぷよぷよ」形式でバトルに突入するわけですが、「ぷよぷよ」のバトル前のデモが「漫才」なのに対して、「ぱおーん」は「禅問答」になっているのです(笑)
すなわち、「何を言い合ってるのかよくわからない」ということです(笑)
出てくる敵もワケのわからない連中ばかりなのです。
負けるとアンリの舎弟(笑)になる「はえおとこ」、
ヘビかナメクジかよくわからない「ガブン」
まんま「さそり」、時計の「クロックン」、
鬼の子「たご」、謎の女性「ムート」と
列挙しただけでも十分笑える連中です(笑)
画面右端の人がムート
しかも、途中でアンリは死にます。
主人公殺すなよ!
前のめりにアンリ死亡
一応生き返りはするのですが、何の脈絡もなくいきなり死ぬ主人公というのも珍しいです。
これだけでも「ぱおーん」のストーリーの突飛さが理解いただけるでしょう(笑)
☆すべてシュール映像
…ワケわかんねぇよ!
このゲームの特徴として、
「登場するキャラクターが全員ポリゴン」
というのがあります。
サターンでポリゴンといえば名作「FIST」が思い浮かびますが、「ぱおーん」もなかなかやってます(笑)
とにかくそのポリキャラの造形のヘンさに加えて、動きもヘンです。
なのでもう画面がすべてシュール映像と化してます。
ある意味前衛芸術です。
凡人の理解を遥かに超えてます。
一応キャラもしゃべるのですが、セリフが圧倒的なまでに棒読みです。
「同級生if」の斉藤亜子も裸足で逃げ出す棒読みっぷりです(笑)
なので「社員が声を当てている」という指摘もあながち的外れではないでしょう。
ただでさえ棒読みな上に変なエフェクトかかってるので非常に聞き取りづらいです。
会話の内容もシュールなのに、何いってるか聞き取れないのでさっぱりだ!
ただし、プレジデントマ・ナベが作曲したと思われる劇中曲はすべてゲームにマッチしていていい感じです。
当然、素で聞いても十分イケると思います。
☆宇宙初の、パズルなの。
ゲームセレクト画面もシュール
自ら「宇宙初」と称しているように、パズルゲームとしてもかなりの実験作です。
コマを打ち出して消す、というパターンのものは他に見られないですし、なにより、「ステージごとにルールが変わる」というのも他では決して見られない特徴です(笑)
普通「同色コマ4個を接触させれば消える」というルールが「3個で消え」たり「5個で消え」たりに変わるのです。
そのため、ステージ最初にぱおーんが
「n個で消えるよ、プレイスタート」といちいち宣言するのです。
この声は何度聞いても笑えます。最高(笑)
ゲーム画面もシュール
それに加えてシステムもかなり前衛的です。
プレイヤーと敵がフィールドを共有しつつ、画面両端からブロックを発射しあうことで消すのが基本です。
「敵とフィールド共有のパズル」という時点で既に類似作が一切存在しないません。
ぶっちぎりです。
当然フィールドを共有しているので、自分が消そうと思っていたブロックを敵に消されたりすることはままあります。やられるとすげぇムカツキますが(笑)
勝敗条件は
「相手のフィールドをブロックで全部埋める」
ことなんですが、これまたちょっとややこしかったりします。
基本的にブロックを消すことで「ストアコマ」という、いわゆる相手を邪魔するためのブロックのストックが貯まっていきます。
このストアコマを発動させるためには、画面上に「どくろマーク」が点滅しているブロックを消す必要があります。
ストアコマを発動させると、ストックした分だけ相手側のフィールドに「石化ブロック」としてが埋まります。
「石化ブロック」はブロックの色さえ合えば普通に消えるのですが、本来の色はたまに点滅した時にしか確認できないので、非常に消しづらいです。
なので、これを敵に送られると頭に来ます(笑)
さらに、ブロックを連鎖消しした場合、「フィールドが相手側に向けてズレる」という現象が発生します。
相手側にフィールドがズレることで相手側がブロックで埋まりやすくなるので非常に有益な攻撃手段です。
ゆえに、「確実に連鎖していく」ことが勝利の鍵になります。
当然連鎖数が増えれば増えるほどズレるブロックの数が多くなるので、それだけ勝ちやすくなるのはいうまでもありません。
相手を攻撃するのに「ストアコマ発動」と「連鎖消し」の2種類があるのに、実質的に有効なのは「連鎖消し」だけという、なんだかよくわからないシステムになってます。
ていうか、ストアコマ発動してるだけじゃ序盤しか勝てません。マジで。
ですが、大連鎖組むにしても、上述したように「フィールド共有」が枷になり狙ってたブロックを相手に消されたりしてもう大迷惑です。
…誰だよ、こんなシステム考えたの!?(怒)
☆まとめ
パズルとしてもそんな斬新な実験をしながら、壮大かつ意味不明な設定をストーリーに盛り込んで、しかもこれがデビュー作というのですから、エコールの真の力たるや端倪すべからざるものでしょう。
とにかく誰もが決して真似できない(したくない)ゲームが存在しているというだけでも、素晴らしいことだと信じて疑いません。
ぜひプレイしてこの感動(笑)を味わってください。
決して「普通」のゲームではないので。
まだエコール本社には大量に在庫余ってるらしいのでそれを放出して欲しいと願ってやみません(笑)
「ぼくー、たたかいなんかしたくないよー」
(そんなアナタは対戦中「C+X+R+スタート」を押そう!)
普通なエコールロゴ
(了)
(「習慣!ゲーム微妙 00/2/26・00/3/11号」掲載分を加筆修正)
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