ユニバーサルナッツ

タイトル画面

豪華キャストによるダメシナリオの典型みたいなこの作品ですが、かなり笑えるので全然「アリ」です。
だってなんだかだってだってなんだもん(文章難文)

☆「何があっても驚いちゃだめ」IN宇宙

ということで、小見出しの通り「何があっても驚いちゃだめ」な世界が宇宙でも繰り広げられているのが
この「ユニバーサルナッツ」なのです。

なんでかというと、スタッフが「ナイトゥルース」シリーズと一緒らしいんですよ、コレ(笑)
実際にプレイしてみればわかりますが、それっぽい香りが漂ってます。

最初にセーブファイルを選んでからゲームがスタートするあたりの仕様とかは、まんま「ナイトゥル」です。
台詞がスキップできないのは「#3」の仕様をそのまま引き継いだようです(苦笑)

マルチエンディングならせめて台詞のスキップくらいは入れておいて欲しいんだけどなぁ…。
繰り返しプレイさせないつもりなのか!?

☆いきなりバスタオル一枚

ということでこのゲーム、謎な年表からはじまりますが、ほとんどゲームと関係ないです。

このあたりの投げっぱなしジャーマンさも「ナイトゥル」的で、もうワクワクです(笑)

実際、本編がスタートするやいなや、バスタオル一枚のおねーちゃんが登場します。
しかも声が金月真美です。

もうサイコ−!もうサイコ−!もうサイコー!
(振り向きながら7連鎖)

まったく必然性のないバスタオル一枚に拍手です。
ここまで制作者のシュミ丸出しにされると喝采で答えるしか我々に方法はありません(笑)

主人公の名前は「ユイ」なのですが、声が緑川光なので、フルネームが「ヒイロ・ユイ」じゃないのか?とか思うかもしれません。それは杞憂です。(「飛鳥唯」だそうです)
で、そのユイと一緒にいるバスタオル一枚がユイの従姉の「アイ」で、二人は夏休みに親の宇宙船を勝手に持ち出して宇宙旅行だそうです。
エロい設定だなぁ(笑)

一応このゲーム「18推」になってるんで、そういう展開を期待せずにはおれませんが、前もって断言しておきます。
そういう期待は露と消えます。(でもパンチラ多し)

でもやっぱり3×3のインブリードはキケンだと思うのは私だけなのでしょうか?
…どうでもいいですね。

のんきな宇宙旅行になるはずだったのに、隕石群に巻き込まれたからさあ大変。
偶然発見できたデカい宇宙船に避難したところから本格的な話のはじまりなのですが…。

☆すげぇ豪華メンバー

ユイたちと同様に隕石群に巻き込まれた人がいて、その人たちも同じ宇宙船に逃げ込んでいました。

そのメンバーは(まんま取説の記述から)
「女医(声:久川綾)」
「赤毛の不良(声:磯部弘)」
「技師(声:塩沢兼人)」
「謎の老人(声:銀河万丈)」
「ウェリントン議員(声:中江真司)」
「ボディーガード(声:大場真人)」
「秘書(声:富沢美智恵)」

です。

この手のゲームに欠かせない名前である「久川綾」と「富沢美智恵」は当然だとしても「銀河万丈」とか「中江真司」を使ってくるあたりが見事です。
技師はいきなり死んでしまう、というある意味シャレにならないキャストだったりしますが、これはこれで…(詳しいことはネタバレになるので省略)
でも、唯一「赤毛の不良」だけが、最後まで「赤毛」と呼びつづけられたりするのでなんかかわいそうでした。
ちゃんと名前つけてやれよ!

あと、「MARICA」の時にも思ったんですが、中江真司は演技ヘタです(笑)
いい声なのになぁ…。

☆ストーリーも何があっても驚いちゃだめ

このゲームも「ナイトゥル#3」的なコマンド選択で分岐するタイプのアドベンチャーなのはいうまでもありません。

そして「ナイトゥル」と同様に、どの分岐が重要なのかというのは分岐の選択肢からだけでは全く判断できません(笑)

無難な選択肢を選びつづければ先に進むようになっているみたいですが、ヘンなのを選ぶとユイ君が死んですぐゲームオーバーです。

ここまですぐ死ぬアドベンチャーは個人的に久しぶりだったので、とても懐かしい気分になりました。
80年代のPCのアドベンチャーゲームなんか、この不親切さが「当たり前」だったんです。
本当です!本当でーす!!(大平透)
セーブも結局1箇所でしかできないので、死亡確定の分岐に入ってからセーブなんかしたら、最初っからやりなおしです。

個人的に「魔界復活」の最後で神城と増永教授の武器を逆に持たせてセーブして、ゼロからやり直したという苦い思い出がよみがえりました。
(誰もわからん喩えだ…)

一応、エンディングを見ることができましたが、「果たしてこれがベストエンドなのか!?」という疑問は消えません。
でも、また最初っからやり直す気には…

★まとめ

とにかく「いったいいつ出てたんだよコレ!?」みたいなタイトルの典型ですが、とても面白いです。
相変わらず伏線がありそうでないあたりなんかサイコーです。

ムダに作りこまれた用語解説とか、読んでるだけで眠くなります(笑)
でも、これだけの世界観を用意してあるというのはスゴいことです。その点は評価すべきだと思います。
ただし、実際のゲームに活かされないとただの「裏設定」として埋没します。ていうか実際埋没してるし(笑)

ある意味、こういうゲームを「最後までプレイする」ことに意義を見出せる者だけが真実を知ることができるのかもしれません。

コレを「つまらん」「おもしろくない」で済ますことは簡単ですが、それではあまりに味気ないと私は思ったりしてみたりするわけです。
そして、ここにこうして「ある」限り、何かしらの意義を見出すという作業がムダではないと信じたい気分だったりするわけです。

春ももうすぐですね(笑)

(文責:オグさん)

(「習慣!ゲーム微妙 01/03/10号」掲載分より)

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