ファンキーファンタジー
…面白いですコレ。
ただし、私の面白いの価値基準は一般人とは二億光年くらい離れているのでアテにはならないですが。
★宮内潤子って?
このタイトル、たしか吉本興業のコンシューマ参入第二弾です。
(ちなみに第一弾は「爆笑!クイズ王決定戦DX」)
この後、吉本興業はサターンで「ファンキーヘッドボクサーズ」と「ファンキーヘッドボクサーズ+(プラス)」を出してコンシューマを撤退(笑)することになるのですが、とにかくいろんな意味で寒いです。
やることなすこと笑えるのは、さすがお笑いの老舗といったところでしょうか。
とにかく、この「ファンキーファンタジー」も略せば「FF」であるのを見ればわかるように、そういうネタばっかりです。
一応、ゲームとしてはユニットを成長させるタイプのシミュレーションRPGといえるのでしょうか。
しかしというかやはりというか、登場するキャラクターが狂ってます(笑)
主人公は、突然のロクナ帝国の侵攻によって国を追われた王女「バニー・ムーン」。
セーラームーンと「ファイティングバイパーズ」のハニーを掛け合わせたような変なポリゴンに顔だけ実写取り込み、というそれだけで「笑え!」といっているかのようなキャラです。
実写の顔は「OPD 宮内潤子」と取説に書かれていますが、誰ですかこの人!?(笑)
まぁ、誰でもいいですが。
彼女の親衛隊として、「冷気の龍」の異名を持つ「リキ・サカキ」(ナイナイ岡村)と「炎の守護神」と称えられる「オルター・キーヴ」(矢部)のふたりがいます。
とにかくこの出来損ない(フリーク)みたいなポリゴン+実写のキャラはヤバいです。
しかも、ゲームに対する知識が深ければ深いほど、どこからネタひっぱってきたかがわかるので、余計に痛さ炸裂です。
だがそれで驚いてはいけません。
なんと登場するキャラクター全てが、吉本芸人の顔にポリゴンの身体、そして他からひっぱってきたネタの名前で構成されているのです。
はっきりいって、ネタ元がわからないと全く面白くもなんともないモノばっかりなんですけど、おそらくこのゲームの企画者と私には通じるところがあったのでしょう。ほとんどネタがわかってしまう自分が哀しいです。
ただし、そのギャグは全部スベってますが(笑)
☆第壱話 首都、襲来
このゲームはターン制のマップクリア型のシミュレーションRPGなのですが、一話のタイトルからしてコレです(見出し参照)。
もちろん、大型の明朝体がL字型に並んでいます。
その他には、「王女が見た流星」とか「アクション大魔王」とか、ネタが多少厳しめのものからベタなものまでオンパレードです。
ストーリーは申し分ないほどアレなので、さすが吉本といった感じですが、純粋にゲームとしては微妙なデキです。
王女の乗るユニット「ホワイトホース」(クラスチェンジ後は「ネェルベーガマ」)がマップ上に点在する魔法陣でモンスターを「召喚」して、敵と戦うのが基本になります。
しかし無制限にモンスターが召喚できるはずもなく、召喚には「魔力」と、前述の「(ガイキチ)キャラクター」が必要になってくるのです。
すなわちナイナイ2人を王女の召喚するモンスターに搭載することで初めて「戦えるユニット」が出来上がる、というシステムになっています。
ゆえに序盤は使えるキャラが少ないので戦術に幅を持たせようがないのですが、ストーリーの進行に応じてキャラが仲間になって参加するようになります。
…キャラが増えたからといって戦術に幅が出るわけでもないんですけどね(笑)
★微妙なシステム
それに特徴的なのが「ユニット同士の戦闘」です。
このゲームのマップはスクエアヘクスなのですが、いざ「戦闘」になった場合、攻撃側&防御側の2ユニットだけではなく、攻撃・防御ユニットの左右に位置するユニット(最高で合計6ユニット)も戦闘に参加するのです。
このシステムをうまく利用すれば1対5で敵をタコ殴りにしたりすることができるのですが、正直あんまり役に立っていないような気がします(笑)
むしろ敵がこの特徴をうまく利用してきて味方のユニットがあっさり撃破されることの方が多い気がしました。
ま、全体が全体なのでこの程度のバランスの悪さはさして気になりませんが。
さらに特徴的なのが、戦闘の補助として「カード」が取り入れられている所です。
各エピソード開始前に、いわゆる「カードデッキ」を自分で調整することができます。
このカードの使い方次第で戦闘を有利に進めることが出来るようになっていますが、使いどころの見極めが難しいかもしれません。微妙です。
☆まとめ
とにかくこのゲーム全体を俯瞰した場合、「面白くないわけじゃないんだけど…」という感じです。
それもあくまで登場するキャラクターの元ネタがわかる場合であって、さっぱりな場合は「…なんだかなぁ(河合奈津美)」だと思います。
そんなにつまらないわけでもないけど、誰でも楽しめるレベルではない、かなり微妙なデキのゲームだということですネ。
でも、長くセガのハードにかかずらわっている人ならわかる(というかそうでないとわからない)ネタが数多く盛り込まれているので、ある意味「パロディ同人誌」的ノリのタイトルということもできるでしょう。
それに納得できるかどうかは、やはりプレイヤー次第ということになるのでしょうか?(笑)
個人的にはこういう突き放し方は嫌いじゃないのでアリだと思います。
やっぱFFはこうでなきゃネ!(笑)
(文責:オグさん)
(「習慣!ゲーム微妙 00/9/9号」掲載分より加筆修正)
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