クレオパトラフォーチュン

タイトル画面

今更だけど、やはりいいものはいいもの、ということで。
PSとDCに移植されることですし。

☆落ちモノパズルの系譜

「テトリス」の出現以来、パズルゲームのフォーマットとして定着したいわゆる「落ちモノ」パズルですが、現在では、大きく二つの系統に分類できるでしょう。

ひとつは「テトリス」の流れを汲む、ひたすら消すだけの「求道者」系

もうひとつは「ぷよぷよ」に端を発する「対戦パズル」系です。

「テトリス」は純粋に「自分」との勝負であるためにゲームとしてのカタルシスは、「いかに自分に克つか(=長くプレイできる)」にあります。

それに対し「ぷよぷよ」では、CPUであれ人間であれ「いかに相手に勝つか」にカタルシスが置かれています。

ゲームとしてのわかりやすさの上では圧倒的に「ぷよぷよ」に軍配が上がった、というのは後に「対戦型のテトリス」が登場したという事実からみても明らかでしょう。

複数人でのプレイが可能という点でも「ぷよぷよ」はコミュニケーションツールと優れているといえるでしょう。

かといって、「テトリス」がゲームとして劣っているわけでもありません。
「ひとりで遊ぶ」というのはゲームの基本ですから、ひとりで遊びつづけられるゲームというのはそのまま「面白いゲーム」と言えると思います。

ですが、テトリスにはイマイチ訴求力のある「達成感」がないのも事実だったりします。

コサックダンスを見せられて嬉しいと思う日本人は三国干渉以降あまりいないと思われます(笑)

そこでこの「クレオパトラフォーチュン」なのですが基本的に「求道者系」のパズルでありながらも、「全消し」というフューチャーにカタルシスを置くことで、ある意味「テトリス超え」に成功した数少ないパズルゲームだったりするのです。

☆パトラ子さん

「クレオパトラフォーチュン」を語る上で欠かせないのがこの「パトラ子さん」でしょう。

パトラ子さん

「ぷよぷよ」がブレイクした大きな要素の一つに「魅力的な『魔導物語』キャラを持ってきた」というのがあると思いますが、アルルにタメ張るくらいに「パトラ子さん」はイケてます(笑)

つーか「パトラ子さん」のためだけに「クレオパトラフォーチュン」が存在している、といっても過言ではないはずです。

舌ったらずなしゃべりに、語尾が「ですぅ〜」なんだよ!?
いいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!

ゲーム中、彼女は画面脇でのんきにくるくる回ってます
地球の自転速度を感じているのに違いありません(笑)

「パトラ子」が出てくるから「クレオパトラフォーチュン」なのか、と思うかも知れません。
でも、世の中そんなもんです。

☆ちょっととっつきづらいパズル

かなり萌えるキャラである「パトラ子さん」を擁しながらも、このゲームがイマイチブレイクしなかった理由に「ルールがちょっとややこしい」があることは間違いないでしょう。

ただ、このややこしいルールも慣れてくるとかなり有効に使えたりするのですが、元がアーケード版なため致命的だったようです。

ゆえにSS版の「クレオパトラフォーチュン」も出荷数が少なく、レア化しているわけです。
(そのために今回のPS&DC移植は歓迎なのですが、もう少し値段勉強して欲しかった気が…)

話がそれたので戻します。

基本的に落ちてくるのは
「石」「宝石」「ミイラ」「棺」の4つ。

そして、「同一ライン上に全て同じモノを並べれば消える」という基本的なルールが存在しています。

それに加えて特徴的な「囲み消し」というルールがあるので、さらにパズルとして面白い(そして深い)作品になっているのです。

「囲み消し」とは、「石」を使って空間を囲んだ時その空間に「宝石」「ミイラ」「棺」があった場合それらが全部消える、というものです。

文章で説明するとちょっとややこしいですが、実際プレイしてみれば感覚でわかります。

ただ、囲み消しにもひとつ例外があって、囲まれた空間に「ミイラ」だけだった場合、ミイラは消えないのです。

薬になる、という理由でも乱獲されたというミイラですが扱い低いです(笑)

ゆえにミイラだけ囲み消しで消せないので、ミイラを囲み消しで消したい場合は「宝石」か「棺」と一緒に囲む必要があります。

それなので、ミイラが出てきだすと途端にゲームの難易度があがるのですが、こんなもん慣れです
慣れで克服するしかありません(笑)

☆全消しという名のカタルシス

基本的にはただ落ちてくるブロックを黙々と消すのが「求道者系」のパズルなのですが、このゲームでは「全消し」にボーナスをつけることで差別化を図っています。

単純に画面上のブロックが全部消えるのはかなり気持ちのいいものですが、このゲームでは「全消し」に対して素敵なご褒美が用意されているのです。

それは!それは!

「パトラ子さんのグラフィック」なのです。

「ちぇ、その程度かよ…」
そう思った貴方は甘いったら甘いですわ!
あんみつにおしるこかけて食うくらい甘い!

その「全消しボーナスグラフィック」は全消しを繰り返すことによってどんどんグレードアップしていくのです。

パトラ子さんが一枚一枚脱いでいくんだよ!
ホントだってば!

ごめんなさい、ウソつきました(笑)

でも、全消しを重ねていくことで「コスプレパトラ子さん」が見られるようになるんです。
これはホントです。(17回目の全消しからスタート)

バニーさんとかスクール水着(白)スクール水着(紺)セーラー服ブレザー

もうガマンできない!!(ケロッグ)

こういう形で求道者系パズルゲームに「萌え」をいち早くとりこんだ、という意味でこの「クレオパトラフォーチュン」エポックメイキングなのです。

そうであるにも関わらず、知名度の低いこと低いこと…。

そしてその移植作がいち早く出た、ということにセガサターンってやっぱりスゴイハードなんだなぁと溜飲を下げたりするのでした。

ていうか買え。
そして萌えろ!!

(文責:オグさん)

(「習慣!ゲーム微妙 01/05/26号」掲載分より加筆修正)

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