おまかせ!退魔業(セイバーズ)

タイトル画面

☆「実写」+「ゲーム」って

一般に「実写ゲームはヤバい」という認識がありますが、何故なのでしょうか?
まず他の組合せとの比較から考えてみましょう。

「実写」+「映画」。これは普通の組み合わせ。
「アニメ」+「映画」。この組み合わせも普通。
「アニメ」+「ゲーム」。これも全く違和感ありません。

ですが、「実写」+「ゲーム」となると、「ドエッ!」ということになっています。
何故なんでしょうか?


原因の一つに、(最低限)TV並みの実写映像をゲーム機が表現できなかった、というのが考えられます。サターンのパワーを持ってしてもまだ「実写映像」の壁は高かったのです。
(マシンパワーがその壁を越えうるということを「es」(ドリームキャスト)が逆説的に証明しました。
コレ、なにげにスゴイ作品なので機会があったら是非プレイしてみてください)

マシンのパワー不足ゆえに、ゲームのスパイスとしてムービーを挿入したはいいが、そのスパイスがあまりにヘタレだとゲーム全体にもダメな印象を与えてしまうのです。
カレーを美味しくしようとして大量に出来の悪い砂糖を入れるようなもんだと思ってください)

これは私の推論の一つに過ぎませんが、全く的外れというわけでもないと思います。

そのような作品が多いのは否定できない事実ですが、かえってその画質の低いムービーがゲームそのものの味となる、ということもまた事実です。

そうであるなら、画質の低いムービーもろともゲームを楽しむ、というのが筋というものです。
そもそも「綺麗なムービー=面白いゲーム」ではないのですから。

☆男なら

ジャケットからしてアレなので、実写系ヤバゲーの代表格のように思われるこの作品ですが、実は丁寧に作り込まれた良作だったりするのです。
とにかく最初のOPを観てみましょう。

男なら暗闇でポーズ取る3人

人ごみの中を妙ちくりんなコスプレして走る少女たちに怪訝そうな視線を送る人々がたまらなく笑えます。

おっさん…
画面右上のおっさんに注目
恥ずかしい…
羞恥プレイ(笑)


OPの最後、東京タワーの前で大見栄切るあたりも往年の特撮モノを意識した感じでかなりよさげです。

東京タワーに立つ少女なんかカッコイイ!

ストーリーは、遠足(笑)で公園を訪れた仲良し3人組が、たまたま妖怪を封印してしてあった石を壊してしまい、解き放たれた妖怪を再び封印するために変身して戦う、というこれまたお約束的なお話になっています。

この時点でダメな人はダメでしょうが、このダメさ加減を許容できるようになってくると、楽しめるゲームの幅というのは目からウロコが落ちたように広がったりします(笑)

☆システムとか

ゲームの方は実写ムービーをそこはかとなく使ったアドベンチャーゲームになっています
(全4話完結)

通常画面基本はこんな感じ

ただし、妖怪を封印するときはアクションゲームと化すので注意が必要です。

プレイヤーは、彼女たちが妖怪の封印を解いてしまった時に「幽霊」になってしまったという、これまたお約束の設定になっています。
そのため、彼女たちの誰か一人と一緒に行動しなければなりません。

選べる3人は次の通り

「如月若羽」(きさらぎ・わかば)
変身後
 ちば・さえこ
「夢月雛子」(むつき・ひなこ)
変身後
いいだ・ひでみ
「加奈月華菜」(かなづき・かな)
変身後
ひろはし・かい


そのうちどの女の子と一緒に行動することを選んだかでストーリーが分岐するようになっています。(好感度も変わるようです)

一応、戦闘シーンでどのキャラを選ぶかで出せる技が変わるのですが、基本的な性能はまったく一緒、というよくわからない初心者にやさしいシステムになっています。
(一応、どのキャラで戦闘するかでも好感度がかわるらしい)

実写がかなり痛いですが、それなりに作り込まれているのでとんでもないのを期待していた人にはある意味期待外れ(笑)かもしれません。

「若羽」「華菜」が後に「北へ。」のヒロインとして声優デビューすることになるとは、このゲームが発売された当時、誰が想像できたでしょうか?
そういう意味でも「北へ。」ファン必携の一本といえるでしょう(嘘)

(現在、若羽ちゃんはさらに「Dr.リンにきいてみて!」の主役「コメットさん☆」のEDを歌うなど大活躍中だったりします)

とにかく変身シーンの中途半端な脱ぎっぷりが爆笑必至なので、第一話の途中まででいいですからプレイしてみてください。

……微妙変身シーン(笑)

意外と全4話というのがボリュームが少ないことにクリアして気づくと思います。

桂正和先生が友情出演してますが、顔知らないのでどうでもよいです(笑)

桂正和先生この人っぽい。セリフはなし(笑)

☆まとめ

見た目のキワモノっぷりに比べるとよくできた作品というより、よくできた作品なのに見た目がキワモノすぎて誰も手を出さない、という典型的なパターンなのが悲しい限りです。

あと、実写とアニメの融合が「太陽の勇者アステカイザー」を思わせます(笑)

アステカイザー風こんな感じに

アニメの絵がずっとこんな感じなんで萎えるかも(笑)
でも、個人的にはこのゲーム大好きです(マジ)

(文責:オグさん)


全くどうでもいいけど、雛子はソックタッチ派(笑)
靴下

(「習慣!ゲーム微妙 00/4/8号」掲載分に加筆修正)

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