サイベリア
もうタイトルだけでかぐわしいですが、コッテコテのポリ洋ゲーです(笑)
☆ストーリー
「西暦2027年、対立するテロリスト集団と民主グループの争いに巻き込まれる主人公ザークは、自由と引き換えに危険な任務を遂行する使命を負った。」
とジャケ裏に簡単なストーリーが説明されています。
さっぱりです。
しかもその下のアオリ文句は
「3Dレンダリングで美しく表現されたキャラクターを操作し、3Dシューティング・パズル解析といった難解で厳しいミッションを遂行し、人類の最終兵器となる脅威の武器『サイベリア』を、敵の手に奪われることなく先に発見し、その野望を阻止してください」
とこれだけ大量の字数を使いながらもたった一文で説明されています。
「…操作し、…遂行し、…発見し」って、どう考えてもヘタクソな文章です(笑)
他にも
・パソコンゲームとしてヒットランキングのトップに輝く人気作品の完全移植版です。
・3Dレンダリングで美しく表現されたキャラクターを操作。戦闘中の背景から宇宙船内のメカにいたるまで、画面展開もリアルなレンダリング画像を採用しています。
・ミッションを遂行するためにはシューティング、パズル解析、といった多彩な行動力が必要となります。また展開によって様々なストーリーに分岐していくマルチストーリーを楽しめます。
・有名声優による完全日本語吹替でキャラクターはリアルに会話。さらに雰囲気を盛り上げる迫力のデジタルサウンドで映画を見ているようなゲーム展開が味わえます。
と、素敵な文章が舞い躍ってます。…ワケわかりません。
そして「3Dレンダリングで美しく表現されたキャラクター」
の真横には全体的に妙にテカっているグラサン男の写真が載っています。
…オトコ前です
どうやら、これが「主人公ザーク」のようです。
見事なまでのテカりっぷりにもうクラクラです。
ちなみに「ザーク」の本名は「ゼブロン・パイク・キングストン」といい、2009年コロラド生まれの天才で現在は有能なコンピュータハッカー、だそうです。
スゲェ設定。
☆いってみよう やってみよう
とにかくゲームをはじめてみましょう。
ホバークラフトかなんかで、船のようなところに着いたザークが船を降りるところからはじまります。
一応、操作方法は「バイオハザード」的なリモコン操作なのですが、ザークが動ける方向は決まっているので「バイオ」ほど複雑な操作は必要ありません。
方向ボタンの操作でザークがもっさりと歩きはじめます。
「3Dレンダリングで美しく表現された」船の中をザークがもっさりと歩き回っていると、突然油の上で滑って転びました!!
すってんころりん
この転び方が、いかにもポリゴン!って感じの転び方だったので、思わずもう一度見たくなりました。
わざわざ戻ってもう一度油の上で転びました。
さっきと全く同じ転び方に爆笑するのもつかの間、
画面は暗転し「CYBELIA」の文字が「GAME OVER」に変化しました!!
……どうやら、二回転ぶと死ぬようです。
気を取り直して、奥に進むといきなり
「ゆっくりこっちを向いて、武器のカートリッジを頂戴」
…夢に出そう
といわれます。
ここで黙って立っていたり、逆の方向を向こうものなら撃たれて即死です。
仕方なくいわれた通りにします。
そこには「3Dレンダリングで美しく表現されて」いるはずなんですが、誰がどうみてもブサイクな女(男みたいな顔してる)、ジイアがいました。
「はん、これが歓迎の挨拶か」
「特別サービスよ」
愚にもつかない会話が交わされますが、次の瞬間警報が鳴り響き、
「敵襲だわ!」
いきなり敵に襲われているようです。
ここでザークをぼーっと突っ立たせていると船は大爆発してゲームオーバーになってしまうので、ジイアの後を追って、銃座に着きましょう。
…こんな感じ
そうすると「3Dシューティング」のはじまりです。
とにかく現れる敵機をひたすら打ち落とせばいいのですが、銃座の可動範囲は狭い、レーダーはあるけど全くといっていいほど意味ない、攻撃を食らえば食らうほど銃座の動きがおかしくなる、とクリアするのには厳しい条件ばかりです。
実際、「磁気爆弾よ!」のジイアの警戒を促す声もむなしく何度船が大爆発したかしれません。
この難易度は、これがマジモンの洋ゲーであることをまざまざと体に叩き込んできます。
このゲーム、なぜか最初にシューティングの難易度とパズルの難易度を調整できるようになっているのですが、どうやらはじめに「シューティング:中級、パズル:初級」に設定したのがそもそもの間違いだったようです。
左がシューティング、右がパズルの設定
仕方なく、「シューティング:初級、パズル:中級」に設定しなおして、再プレイです。
(ちなみにどちらも「初級」に設定することなんか出来ません)
…どうやらシューティングはクリアできました。
それでも全然やさしくなんかなかったですが。
☆キスしてロンリネス
なんとかしのぎきると、突然ジイアが
「キスして…」
夕焼けの海をバックにみつめあうふたり…
って、おい!!!!!!!!!!!!!
あまりの唐突すぎる展開にザークもビックリです。
いくらなんでも、こんな男みたいな顔のブサイク女とキスするのはごめんなので拒絶しました。
(ただし、キスするとその後ジイアにスタンガンで気絶させられます)
その後、ザークはTF-22という戦闘機に乗ることになるのですが、ただ乗り込むと発進シーンの後に船が大爆発してゲームオーバーです。
…そりゃもう何度も…
何がいけないのかと探すと、TF-22には時限爆弾が仕掛けられていました。
(わざと見つけずに飛行機のドッグから落下して死亡することも可能)
どうやらこの時限爆弾を解除しないとTF-22を発進させることはできないようです。
実はザークのグラサンは「ブレード」という特殊なもので、赤外線や磁気、生命体の反応を探すことができるというスグレモノだったりします。
その「ブレード」がここで大活躍です。
磁気スキャンで時限爆弾を透視して解除しましょう!
これが… |
→ | …こうなる |
……でも、私には解除できませんでした。
失敗するたびに船は大爆発。
10回は爆発しましたが、全くわかりません。
どうやらこれは「パズル:中級」にした影響っぽいです。
かといって「パズル:初級」設定にすると、「シューティング:中級」設定に戻さなければならず、そうするとあのシューティングで悶え死ぬことになります。
…一体オレにどうしろと!?
もう勘弁してください…。
☆余談
海外では続編が作られるほどの作品なようです。
でも、続編が作られてる=人気作ってワケじゃないからなぁ(笑)
ちなみに個人的にその続編(DOS/V用ソフト)を持っているんですが、
インストールして遊ぼうとしたらOSをクラッシュさせやがりました(実話)
なんで怖くてそれ以来触ってもいません。
恐るべし、ザーク!天才ハッカー!!(笑)
(文責:オグさん)
(「習慣!ゲーム微妙 00/5/20号」掲載分より加筆修正)
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