サバキ神妙
第四回 サバキとフェイントの妙
今回は、SAVAKIの基幹とも言うべき 『サバキ』というシステムを中心とした話になります。

もともとSAVAKIは、

『ゲームを通して、
格闘技の持つ特有の技と精神が
純粋にぶつかり合う。
いわば、
格闘技ごとのコンセプトの
ぶつかり合いである』


という、渋い志により構築されたゲームです。

『純粋に』という言葉が前回話したような、
複雑な、しかし、直感的な操作が可能である『攻撃』『防御』のシステムや
今回のテーマの『サバキ』『フェイント』にあらわれているわけです。

しかし、皮肉な事に『純粋に』という言葉が故に、
波動拳も、しゃがみパンチも、投げ技も無く、
キャラ萌えも無く、
エンディングのスキップも無く、
練習モードで
なぜか一方的にボコられて
ゲームオーバーになったりする

という不条理を強いられるわけですが。

では、早速『サバキ』というアクションについて 書こうと思います。

端的に書くならば、
『相手の攻撃を見切り、
先行気味にサバキアクションを起こす。
もし、サバキが成功したら、
相手の攻撃を無効化した上に、
相手のバランスを崩し、
隙を作らせる事が出来る』

と、いうものです。

このゲーム、なんでサバキというアクションが システムの基幹を担うかというと、
それは『防御では相手の隙が作れないから』です。

なんていうか、体感的に、
攻撃側の攻撃硬直と防御側の防御硬直がほぼ同じフレーム数じゃないか、
という気がします。

むしろ、
攻撃硬直のフレーム数の方が少ないんじゃねえか、
という気すらします。

これ、どういう事かといえば、
『圧倒的に攻撃側有利』
という事なんです。

ということで、つまりSAVAKIの戦いのポイントは、
「攻撃側になろうとする」
「攻撃側になったらゴリゴリ蹴る殴る」
「防御側になってしまったらサバく」
「サバいて攻撃を一つ当てて攻撃側になる」
「サバかれたらサバき返す」

と、要約することができます。

そのサバキの操作方法ですが、
『上段の構えの時、Aボタンで上段サバキ』
『中、下段の構えの時、Aボタンで中、下段サバキ』
という風に、防御の操作と似た形になっています。

サバキが成功すると、 『おっと』という感じのモーションをしてくれます。

もちろん、はじめて見ると、
『えっ!? これだけ!?』
という印象は否めません。

サバキを発動させるタイミングですが、
DOAで胃が痛くなった人は SAVAKIでも同様に胃が痛くなれます。
恐怖の先行入力タイプです。

以前にマックのフリーソフトで、
『おやじの鉄拳』という良く出来たゲームが あったんですが(今、なんか見つからないけど)、
あれで仮体験する事が出来ます。

逆に言えば、
『そのフリーソフトやった事あるけど、つらい』
という人は、SAVAKIもつらいでしょう。
基本的に遅出しじゃんけんの固まりですから(笑)

んで、その遅出しじゃんけんに花を添えるのが
『フェイント』です。

フェイント専用ボタンがあるからして、
立派な一つのアクションです。
主に対人戦で破壊力を発揮します。

『フェイント』はその名の通り、
攻撃モーションのふりをするアクションです。
これで、相手のサバキを誘発する事が出来ます。

上段にフェイントをして、
先行気味に中段攻撃を入力する、
といったちょっとした嫌がらせに使います。

もちろん本格的に織り交ぜる事も可能ですが、
ただ、バカゲー度が劇的に増すだけです(笑)

『あいつはどうやら、上段にフェイントをして、
中段に先行気味に攻撃してきそうだから
上段を防御しつつ中段を重点的にサバいて、
中段フェイントかけつつ、タイミングをずらして
中段の構えをしながら下段に弱キックを・・・』

なんて、格闘漫画の如く考えたりした矢先に 地味にいなされた日には、
やっぱりそろそろ哲旅に出ようかな、という思いで胸いっぱいです。

CPUもフェイントに誘発されることがありますが、
奴等はあからさまな『接待誘発』ですので
あんまり嬉しくないし、
それ以前に、めちゃくちゃな超反応してくる場合が多くて使えません。

さて、いろいろと書いてきましたが、
前回の『攻撃』の難解さ
『サバキ』、そして『フェイント』と、
どれもSAVAKIの
『ゲームを通して、
格闘技の持つ特有の技と精神が
純粋にぶつかり合う。』

という熱い心ゆえのシステムです。

それが『売り上げ』や『爽快感』に 関係してるかは別として、
まあ、その、
セガの力を借りずに一人で作り上げた
その熱い魂を感じましょう。

考えるのでなく。

次回は≪ラスボスの妙≫です。

(文責:バドソン)

「習慣!ゲーム微妙 00/12/2号」掲載


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